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お店には時々車椅子に乗ったお客さんが来てくれます。
車椅子に乗っているのは小学生高学年ほどの女の子で、私は名前を知りません。お母さんと一緒にいつもお店に来ているのですが、言葉を話せるようではなく、いつもかすかな身振り手振りでお母さんと意志の疎通をしているようでした。
私は「こんにちは、今日は風が強くて大変ですねぇ!こんな日にわざわざ来て下さって嬉しいです。前の時も雨でしたよね?娘さんと来られてましたよね」と声をかけました。すると、女の子が「ウーァア、ア」と返事をしてくれました。
初めてだったので嬉しくて「こんにちは」と言いながら笑うと、女の子のお母さんが小さく言いました。
「来てくれて嬉しいといってくれてありがとうございます・・・・次も、同じように言ってくださいますか」と。
雨など天候の悪い日でないと、周りからの視線が気になって外に出にくいと言うことでした。「でも外に行かないと寂しくなりから、お花を見に来ているんです」とも。
車椅子の娘さんの手をさすりながら、うつむいていた顔がどんな様子だったのか、私の位置からは見えませんでした。
「あ、今日もきてくれたんだな。」と思って本当に何気なく言った一言だったのに、その一言が嬉しいといったお客様の様子が心に残りました。
私は「もちろんですよ~」と答えました。一言を言っただけで、相手の方の気持ちが上向きになるのはとても良いことだと思うのです。
お母さんは頭をぺこりと下げると、店内のお花を娘さんのところへ持ってきては、「きれいだね、どれにする?」と一緒に選んでいました。女の子は嬉しいのか、「きゃーぁ、あう、あう」と首を動かしていました。その様子がほほえましくて、ただ少し切ないような気持ちになりながら仕事を続けました。
近い内にまた、雨が降ればよいのだけれど。